アグリコース / 佐藤 将陽
内定先:もがみ中央農業協同組合
卒業年:2023年3月
出身県:山形県
出身高校:新庄東高等学校
Q1. 就職先、進学先として内定先を選んだ理由・きっかけについて教えてください。
ANSWER
実家が農産物の生産者であることから、「農業を継ぎたい」という夢を抱き、本学に入学しました。就職活動中に、ただ地元の最上郡で就農するだけでは、農業を支えそして地元を盛り上げるという自分の夢を叶えることができるのかと考えようになりました。そこで、地元の農業に関する状況を知る必要性を感じ、学ぶ環境がある地元の「もがみ中央農業協同組合」を就職先として選ぶことにしました。
この組合で、地元の農業について学び、地元に貢献できるスキルを身につけ、将来的には自分自身が就農することもできる環境を手に入れることができると考えたからです。
3年生の時にキャリアセンター職員と面談をした際には、どのエリアで就職をするか迷っていましたね。
当初、新潟に残るか地元に戻るかで迷っていました。最終的に地元を選んだのは、将来的に家業を継ぐ可能性があることを考慮したからです。農業に直接就くのではなく、農協に入って生産者をサポートする視点から地元の農業を学びたいと思いました。地元の実家近辺で生産者と話す際に、「〇〇の息子」と呼ばれることが多かったため、農協に入組し、多くを学び、経験して、自分自身を社会人として地域の方に認識してもらいたいと考えたからです。
農業支援の仕事、という面で他の団体も視野に入れていたと思うのですが、最終的には農業組合に絞って活動していましたね。理由は?
金融や保険に特化した支援の仕方もあるかと思いますが、私は直接農業に関われることに魅力を感じ、学んだことが活かせる農業指導や肥料の購入などの支援に関心がありました。その中でも農業組合は、地域の生産者と直接関わりながら、農業を支える様々な事業を行っているため、自分の力を最大限活かせると考えて絞り込みました。
具体的な農業組合に絞って活動していたぶん、企業研究よりも自己分析に力を入れていて、苦労もしていた印象があります。
自己分析は苦手で、高校受験や大学受験の際も最後まで悩んでいたため、就職活動でも同じように悩みました。就職活動が始まり、自己分析をするために、この4年間のことをいろいろと振り返りました。同じアルバイトを継続したことで、継続する力があることや、苦手だと思っていた「段取りをつけてから作業すること」が、指導教員の先生に「作業の段取りができているね」と言われて、苦手なことではなくなっていたことが分かりました。就職活動での自己分析を通じて、自分の強みが大学4年間で多く身についていたことに気がつきました。
前向きに活動をするにあたってターニングポイントとなったことはありますか?
入学当初は「何が得意なのか?」や「何ができるのか?」とネガティブに考えがちで、成績も上がりませんでした。しかし、前向きに勉強に取り組んだことで成績が向上し、卒業研究では自分が興味を持っていた堆肥に関するテーマを研究することができ、その結果が就職活動にもつながりました。また、地元を離れて県外の大学に進学することが叶い、充実した大学生活を送ることができました。このように『充実した4年間』を送ったことが、前向きに就職活動に取り組むことができたポイントだと思います。
Q2.大学で学んだことを今後、どのように活かしていきたいですか。
ANSWER 大学生活を通じて、「コミュニケーション力」や「継続力」、「段取りをつける力」を身につけました。また、卒業研究で堆肥に関する知識を深めることができました。これらの力や知識を、地元の農業の発展や生産者の皆様を支えることで地域貢献をしたいと考えています。
卒業論文で堆肥について選んだきっかけは?
実家で堆肥を作っていて、興味関心があったためです。テーマを検討する上で、米やトマト、ナスなど決まった作物に絞って研究テーマを決めると、就職後に学んだ作物についての知識はあっても、ほかの作物との知識の習熟度に違いがあり、アドバイスをする内容が限られてしまうと考えました。堆肥は、本学で学んだ様々な作物についての知識を活かしながら、どのような作物でも栽培するに際に使える技術・知識であるので、農業の中心になれる領域と考えて堆肥をテーマに選びました。
就職後を見越してとのことですが、どういった点で役立ちそうですか?
堆肥は、生産者が自分自身で作ることができるのかという疑問があり卒業研究のテーマを堆肥にしました。堆肥を生産者で作ることができれば、海外の影響によって化学肥料が高騰してもコストを抑えることができます。さらに、産業廃棄物から堆肥を作ることもできるため、多様な分野で活用することができます。堆肥化と言っても牛のフンだけで作るわけではなく、野菜くずなど様々なものを用いることができるので、農協で扱っているものと合わせるなど、工夫次第で様々な分野で役立つと考えています。
コミュニケーション能力を培ったとのことですが、どのようなことで培っていきましたか?
コンビニエンスストアでのアルバイトを通じて、多くのお客様の接客を経験しました。全てのお客様にお声がけしますが、特に常連の方を中心にこちらから挨拶することや、ご来店するたびに同じ商品を注文されるお客様には、品物をあらかじめ準備しておくなどしていました。アルバイトでは声がけによるコミュニケーションや相手への気遣いなど、常に円滑な対応・接客を心がけていました。また、大学のゼミ活動で先生とコミュニケーションを取る際に、一番意識したこととして、親身な指導で話しやすい先生に対して、友達と話をするような言い回しをせず、失礼のないように話し方に注意したことがあります。目上の方への態度・対応も身についたのではないかと思います。
社会人になってから、他に目標にしたいことはありますか?
卒業研究のテーマであった堆肥について、大学での学びと経験を通じて研究をまとめることができました。得意分野だけでなく、大学で学んだ多くの知識を活かして、専門的な仕事をしていきたいと思っています。何をするにしても、初めは分からないことが多いと思いますが、同期で入社する方や職場の先輩方から学び、自分自身ができることを増やし、地元の農業を盛り上げていくことが私の目標です。
Q3.『これから食の分野を目指す高校生』にメッセージをお願いいたします。
ANSWER 「食」は、私たちが生きる上で欠かすことができないものであり、食の分野は非常に重要な分野です。新潟食料農業大学は、「食料産業学」を専門的に学ぶことができる大学です。食料産業学は、食の生産から加工、流通、販売までの全プロセスを学ぶことができます。もし、「食」と「農」に興味があるのであれば、本学では、食のジェネラリストになるために必要な知識やスキルを身につけることができます。ぜひ、食と農の分野に情熱を持ち、新潟食料農業大学で学んでみてください。
そのように感じた理由を教えてください。
農業従事者の高齢化や就農人口の減少により、生産物が生産されなくなる可能性があるため、新しい代替食品(昆虫食や代替肉)が注目されています。しかし、新しい食品に完全に移行するのではなく、従来の食品も維持することが望ましいと考えます。そのためには、新規就農者の増加や生産物の収量増加などが必要です。本学では、「食」「農」に何かしら興味関心があれば、多角的な視点で学ぶことが出来るからです。
興味や目的を持った方がいいと考える理由は?
「農業を継ぎたい」という夢や目的があり、本学に入学しました。夢や目的があって入学した人と、とりあえず大学に入ろうと考えて入学した人では、授業で教わる知識や経験を吸収する速度が違うと思います。例えば、圃場で「ここの土は、こういった成分がある」と説明されて、「この成分は、どの作物に良い影響があるのか?」と、後で調べてみようなど、向学心を持って授業を受けるのか、ぼーっと聞き流してしまうのでは、その後の知識に大きな差が生まれます。私は「農業を継ぎたい」と思って入学したので、アグリコースを選択して、特に堆肥に関することを中心に学んできました。興味関心を持ちながら学ぶことで、卒業研究の完成度が高くなったり、就職活動がスムーズに進むことなどがあるので、早いうちに何かしらの目的を持つことが大事だと考えます。
高校卒業後に就職、農業大学校や大学への進学、と様々な選択肢がある中でなぜ本学を選んだのですか?
私は高校の普通科を卒業するまで、農業についての知識は実家の手伝い程度でした。そのため、農業大学校に入学しても、農業高校出身者についていけないかもしれないという不安がありました。しかし、大学に進学すれば、実家が生産者以外の学生もいて、スタートラインが同じであり、また自分が農業を継ぐ夢を持っていたため、他の学生よりもモチベーションが高く、自信を持って進学できると思いました。特に、本学は1、2年生で基礎的なことを学ぶことから始め、3、4年生で専門的な知識を学ぶことができるので、農業の経験や知識が無くても学びやすいと考えました。新しい大学で、私は2期生ということもあり、自分がやりたいことが初めからできそうだと感じ、またカリキュラムも楽しそうだと思って入学しました。4年間を経て、この大学に入学して本当によかったと思います。
やりたいことを見つけたり、目的も達成できたり、充実した大学生活だったのですね。
入学当初は友達と過ごすことがとても楽しかったです。今でも楽しいですが。ただ、当初考えていたような学び方や知識の習得が思ったようにできなかったため、焦りました。しかし、入学の際に「農業を継ぎたい」という目的があったので、2年次にアグリコースを選択しました。この選択が大きな転機になりました。講義の内容は自分の興味のあることばかりで、90分の授業が短く感じ、成績も伸びました。他のコースの講義も興味深いものがあり、印象に残っていますが、アグリコースの講義が一番楽しかったです。こうした経験を通じて、とても充実した大学生活になりました。
人や学び、様々な経験が出来た4年間だったのですね。
農業をやりたいと決めている人や栄養に興味のある人など、違った分野を目指している人が1、2年生の時に一緒に過ごせるのがとても面白かったです。高校の時は同じ教室で同じ勉強をしている人ばかりでしたが、同じ学部の中でも違う勉強をしている人がたくさんいました。同じコースでも別のことを学んでいる人もいて、それぞれの知識の幅が違うことを感じました。農業大学校から編入してきた人は実習面での知識が異なっていたり、留学生の人は視点が異なっていました。このような刺激があり、この分野であれば負けないと思えることもありました。普段同じマンションで生活していても、何を研究しているのか知らなかった人もいましたが、卒業研究の発表会で初めて内容を知り、「だからあの時あんな風にしていたんだ」と思うこともありました。一人ひとりの研究発表を聞いていると興味深く、学びの機会になりました。
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