
HATTORI CHIKA
フードコース / 服部 央和
内定先:たいまつ食品株式会社
卒業年:2025年3月
出身県:福島県
出身高校:福島県立ふたば未来学園高等学校
Q1. 就職先として内定先を選んだ理由・きっかけについて教えてください。
ANSWER 高校生の頃から「商品開発をやりたい」という軸がありました。お米を使った学生実験に取り組み、もち米やうるち米を用いて弾力や粘りを測る実験を行う中で、お米を科学的な視点で捉えるようになったことが大きなきっかけです。また、実際にたいまつ食品を訪れた際、1階が製造現場、2階が開発室という構造になっており、開発と製造の連携が密であることを実感しました。この環境で働ける点に魅力を感じ、最終的に入社を決意しました。
高校生の頃から商品開発に興味があったとのことですが、そのきっかけは何だったのでしょうか?
親が趣味で様々な料理を作っていた影響が大きいです。私自身もキッチンに立つ機会が多く、高校時代には自分で作った料理を家族や友人に振る舞うことが楽しくなりました。単に味を追求するだけでなく、栄養バランスや保存性、食材の組み合わせにも興味を持つようになり、調理の工夫次第で味や食感が大きく変わることに魅力を感じました。こういった経験を通して「食品を作ることが面白い」と感じるようになり、商品開発への興味に繋がりました。
商品開発職と製造職のコミュニケーションを重視されているのですね。
私は言語化が得意ではない部分もあり、コミュニケーションに対して不安を感じることがあります。特に開発と製造の間にしっかりとした意思疎通がないと、せっかくのアイデアが実際の製造過程でうまく反映されなかったり、製造側での課題が開発に伝わらず、最適な製品が作れなかったりする可能性があります。そのため、顔を合わせて直接やりとりができる環境があることがより良い商品作りにつながると考えているからですね。
これからの仕事で挑戦したいことはありますか?
面接の際に面接官から「将来的に開発と企画、どちらをやりたいか」と聞かれました。大学ではどちらも学ぶ機会があったので、開発だけでなく企画にも挑戦したいと考えています。また、パックご飯の需要が伸びているため、その分野にも積極的に関わりたいです。特に、高齢者向けの栄養バランスに配慮したパックご飯や、咀嚼が難しい方のために水分量を調整したおかゆタイプの製品など、新しい提案をしていきたいですね。
Q2. 大学で学んだことを今後、どのように活かしていきたいですか。
ANSWER 開発職に携わるうえで、食品製造の基礎知識はもちろん、食品を通じた「伝える力」を活かしたいと考えています。大学では、先生から学ぶ際や後輩を指導する際に、相手の視点に合わせた伝え方を工夫し、状況に応じた適切な伝え方の重要性を学びました。開発職でも、製造現場や他部署との円滑な連携が求められるため、この経験を活かし、現場と開発をつなぐ存在になりたいです。
食品を通じたコミュニケーションの重要性に気づいた瞬間は?
3年生の実験授業の際に、先生と話す時と友人と話す時の違いに気づきました。友人とは同じ授業を受けているため、知識レベルが近い前提で話せますが、先生とはより専門的な知識を踏まえた会話が求められます。また、同じ実験でも、人によってアプローチや考え方が異なるため、相手に合わせた説明が必要だと感じました。開発職と製造職でも求められる視点が異なるように、それぞれの立場を考慮しながらコミュニケーションを取ることが重要だと学びました。
大学で学んだ食品の知識が今後どのように役立つと考えていますか?
食嗜好科学で嗜好性について学んだことが役立つのでは、と考えています。例えば、味覚だけでなく、視覚や嗅覚も食品の選択に大きな影響を与えます。パッケージの色が消費者の印象を左右するように、食品の認知に関する科学的な視点を商品開発に活かしていきたいと考えています。単に美味しいものを作るだけでなく、消費者がどのように食品を選び、どのように感じるのかを多角的に捉えることが、より良い商品開発につながると考えています。
社会人になってからの目標を教えてください。
一言で言うと、「常に向上し続けること姿勢」を意識したいですね。目の前の業務を淡々とこなすのではなく、自分から新しい発見をしていく姿勢を大切にしたいと考えています。ただ与えられた仕事をこなすだけでなく、日々の業務の中で課題を見つけ、改善策を模索するような働き方をしたいです。「生きていくために働く」だけではなく、働くことを通じて自分自身も成長し、新しいことに挑戦し続ける社会人になりたいと思います。
Q3. 『これから食の分野を目指す高校生』にメッセージをお願いいたします。
ANSWER 本学の魅力は、食の生産・加工・流通・販売といった一連の流れを学べる点にあります。食品に対して漠然とした興味を持っている人でも、自ら学びに行ける環境が整っています。学生数が多くない分、一人ひとりが様々なことに挑戦しやすい環境があり、大学生活の中で将来の選択肢を広げることができます。食品に興味はあるけれど、将来の進路がまだ明確でない人も、様々な角度から学びながら自分のやりたいことを見つけてほしいと思います。
入学前と比べて、食に対する見方はどう変わりましたか?
高校生の頃は「美味しいものを作って、それを振る舞う」というシンプルな視点でした。しかし、大学に入ってからは、食に関する考え方が大きく広がりました。例えば、「商品開発」と聞くと、新しい商品を作ってお客様に届けることが主な役割だと思っていました。しかし実際には初期費用の試算やターゲット設定、コンセプト設計など、多くの要素を考慮する必要があることを学びました。大学での学びを通じて、食に関する知識が深まるだけでなく、多角的な視点を持つことの大切さを実感しました。
進路やキャリアについて悩む新入生や後輩にアドバイスをお願いします。
様々なことに全力で取り組んだ4年間でした。自分がやりたいことはもちろん、「やりたくないな」と思っていたことも、友人の支えがあったおかげで挑戦できました。資格取得など、最初は気が進まなかったこともありましたが、高校とは違う勉強方法で取り組む中で、学びに対する考え方が変わりました。入学前には想像していなかったことにも全力で打ち込めたことが、大学生活の大きな収穫です。